・「あの雲に届くまで」
作 篠江 咲人
編集 竹田 七海
いつ失うか分からない、僕の記憶。
記憶をなくすことを繰り返す、不思議な病気。
時の流れから、いつ僕が置いていかれてしまうか分からないという不安で、虚しくなる。
でも唯一、本の世界でだけ、僕は強くなれた。
ある日、僕の過ごす病室の隣に、女の子が入院した。
その子は、生まれつき体が弱かった。
その子も、本の世界でだけ、強くなれた。
2人をつなぐ、本。
2人をつなぐ、言葉。
本や言葉が人を変え、
人が人を変えていく。
どこかありそうで なさそうな
不思議なお話。