CPCとはClinico Pathological Conferenceの略で日本語で言うと臨床病理症例検討会となります。
二つに分けて考えるといいかもしれません。
症例検討会(Case Study)に病理学的な観点を盛り込んだものがCPCです。
ですから、ここでは症例検討会の説明をしましょう。症例とは症状の例のことです。
そのまんまですね。これではよくわからないでしょうからストーリーを考えてみましょう。
ある患者さんがいて、ある症状を呈しました(症例)。
さて、この患者さんは何の病気でしょう?
一般的な症状を示しているのか?それとも特殊型なのか?
またはいままで発見されたことのない新しい病気か?症例について検討するわけです。
これが症例検討会です。最後の一つはめったにないにせよ、病棟ではこの症例検討会が日常的に行われています。
さっきも言ったようにこの症例検討会に病理学的所見が加わればCPCです。
病棟で行われるCPCは学会報告などのあたらしい発見のために行われることと、
自分たちの勉強のためとふたつありますが、学生版では主に後者の勉強のためという意味合いが強いです。
授業とは違い、疾患の名前に沿って症状を覚えていくのではなく、症状から考えられる疾患を挙げていって、鑑別するという方式のCPCはより実践的な学習と言えます。
さらに言えば、クイズ的要素もあるので取り組みやすいでしょう。
ではCPC(症例検討会)の流れについて説明します。
①まず、プレゼンター=出題者が症例を手に入れてきます。検査結果、顕微鏡組織写真などのデータをもとにプレゼンテーションを作成します。
②プレゼンターは年齢、主訴、血液学的検査結果などの基礎データ=プロトコルをプレゼンテーション前に開示します。これが第一のヒントとなります。
これを見てある程度の見当をつけてオーディエンスはCPCに臨みます。
③プレゼンテーションが開始されるとプレゼンターは他のヒント(病理学的所見など)を出していきオーディエンスと考えられる疾患について議論していきます。
ここがCPCの最大の目的であり、CPCが他のプレゼンテーションと大きく異なるところでしょう。
CPCではオーディエンスが主役です。オーディエンス=回答者というわけです。
④ある程度、議論が出尽くしたらプレゼンターが解答を示して終了です。
招待している病理の先生に講評をもらって次回につなげるわけです。
ちなみに、今回のCPCはすべて英語で行われるので英語能力も培われます。
もちろん、あまりしゃべれないという人のために使われる単語の日本語訳、質問の仕方などの資料を用意しています。